アイヌのこと。
この間、日記を書いていたら、 間違って、全部消してしまった! 同じ窓から、違うサイトを見に行ってしまったのだった! 長文で1時間くらいかけたのに!!! がっくり。もう同じものは書けないよー。。。 ということで、ダイジェスト版で、と思ったが、伝えたいことが あるので、書いてみたら長文になりました。 書きたかったのは、 タイトルにある、アイヌの文化と言葉について。 先週、教育番組で、『あるアイヌからの問いかけ』という 萱野茂さんの特集をみていて、 とても衝撃を受けた。1週間以上、この番組のことを考えていました。 アイヌの言葉、文化については近代化以降、 "日本人”が奪ったものであり、 自分も日本人として、加害者側の立場であり、 申し訳なく思うというか、 恥ずかしいのだけど、 それ以上に、アイヌの言葉と文化の素晴らしさと いうものに、感動した。 まず、アイヌの言葉は、全然日本語と違う。 フィンランド語のように、手がかりがなく、新鮮なこと。 人の名前についてもそうで、 たとえば、萱野さん(アイヌを守ろうと人生を賭けた男性。教科書にも載っていた ので覚えているが、今年の5月亡くなった。) のおじいさんは、トッカラムさんという名前で、おばあさんは、てかってさん。 可愛いと思ってしまう。 トッカラムさんには指が一本無かった。 それは、アイヌ狩りをされて、強制労働がつらすぎて、自分で指を切って 逃げたからだそう。 重い民族の歴史がそこにはあるのだった。 アイヌの昔の人の写真を見ると、みな彫が深く、眉毛は濃くて、 顔が横にながく、鼻はしし鼻。 おじいさんたちは、長いひげをはやしている。 おばあさんのてかってさん(なぜ平仮名なのかというと、日本の役所が性別を区別できるよう、女性は平仮名表記とのこと)はほとんど日本語を話せなかったという。 茅野さんはいう。 「足を踏んだ者には、足を踏まれたものの痛みは分からない。 同じように、言葉を奪われた者の苦しみは、言葉を奪われた者にしか、わからない。」と。 その悲しげで、ゆっくりとした言葉が何度もわたしのこころに響いた。 茅野さんのお父さんというのは、アイヌ語と日本語を両方理解し、それを 象徴するように、名前も両方持っていたという。 アレッアイヌという名前と、清太郎という名前。 「ア」というのは「座る」という意味、「レッ」というのは「さえずる、しゃべる」。 素敵な名前だと思った。 そのアレッアイヌ、清太郎さんは、兄弟であるニスッレックル(日本名、国松)さんとウパレッテ(一太郎)さんと3人でよくこんな話をしたそうである。 この3人は、アイヌ語を自由に話せる最後の人たちだった。 だから、兄弟で集まると、「三人のうちで、一番先に死んだ者が最も幸せだ。あとの二人がアイヌの儀式とアイヌの言葉で、ちゃんとイヨイタッコテ(引導渡し)をしてくれるから。」といっていたそうだ。 言葉を奪われた者にしかわからない苦しみ、 わたしには想像も出来ないこの想いを3人は持っていたのだろう。 言葉は、文化そのものなのだ。 萱野茂さんの素晴らしいところは、優しそうな人柄も 魅力的だけど、若いときはアイヌということで差別を受け、 自分のアイデンティティーを隠し、悩んだこともあるそうだけど、 30歳位からアイヌの文化に誇りを持ち、消え行く言葉を守ろうと行動を起こし、人生を捧げたことである。 当初高価だったテープレコーダーを借金して購入し、二風谷の村のご老人にアイヌ語で語ってもらったものを録音し、収集していった。 またその様子はNHKが収めていて、個人的にわたしは、なんだかんだいって大事なものを見極めて取材、報道、保存するNHKはすごいと思う。 萱野さんが、アイヌとして初めて国会議員になり、アイヌ語で語ったときのことは昔ニュースでみた。 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/131/1020/13111241020007c.html 国会に響いたアイヌ語のことを、決して忘れない誇らしい気持ちで いたアイヌの人たちがいた。 アイヌ語のことを少し。 アイヌは、アイヌ語で人間の意味。 アイヌの社会では、アイヌという言葉は本当に行いの良い人にだけ使われた。丈夫な体を持ちながらも働かず、生活に困るような人物は、アイヌと言わずにウェンペ(悪いやつ)と言うそうだ。 鮭はシエペ。「シ」というのは「ほんとうに」、「エ」というのは「食べる」、「ペ」は「もの」という意味。アイヌにとって、鮭は主食だったという。 とにかく、一つ一つが透明に心に入ってくる。 本質的なものをシンプルにいいあてた美しい言葉だと思う。 アイヌの文化は、自然とともにいき、たしか熊をカムイといって神様として 大切にし、無駄なものはない文化だ。 。。。という感じで、1時間の番組で、アイヌのことをもっと知りたい! と思ったので、いろいろ調べてみた。 =萱野茂さんの公式HP 『国際先住民族ネットワーク』 http://www.aa.alpha-net.ne.jp/skayano/ (アイヌにとどまらず、グローバルなページであるのがまたすばらしい!) =『神を待ち望む』というサイト。ネイティブアメリカンの言葉や アッシジのフランチェスコなど、和洋と宗教を問わずスピリチュアルな言葉を 載せているサイトのようです。 http://www.aritearu.com/Influence/Native/NativeWorld/Ainu.htm =自然環境フォーラム an online NGOが集めた情報のページ 96年の萱野さんの講演内容が読めます。 http://prweb.org/press01/00713.htm そのほか、ウィキペディアに詳しい記述がある。 アイヌのミュージシャンOKIさんも発見。 http://tonkori.com/disc/tonkori.html アイヌの伝統弦楽器「トンコリ」での音楽が聴けます! 素晴らしい音楽なので、ぜひコンサートにいってみたいと思う。
by megtig
| 2006-09-18 21:59
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